蟲食べる日々

昆虫食を中心に記事を書いていきます。

コオロギ、転じてハンバーグ

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 どうも、蟲助です。今回の記事はコオロギ入りハンバーグについてです。


 以前より気になっていたクリケットパウダーを手に入れた結果、まずは簡易で親しみ深いハンバーグでも作るのががよかろう、という次第で実際に作ってみました。
 クリケットパウダー入りハンバーグ。なんだか、未来感あってよくないですか? これにはムシグルメンもニッコリ。

 

というわけで、今回使うクリケットパウダー。

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いつものTAKEO。

 銀色の袋にはクリケットパウダーが詰まっており、計100g。他の商品に比べてぎっしり。
 使われているのはタイ産のフタホシコオロギ。テラフォーマーズにもM.O.のモデルとして出てきた気がします。タイではコオロギはかねてより養殖が行われているそうで、昆虫食に携わる者としてはうらやましく思う。昆虫食では日本よりよっぽど進んでいますね。まあ、進んでいるというよりかは昆虫食が残っている、という言い方のほうが正しいのかもしれませんが。そう、タイでも今では一般の人が昆虫を食べる機会は減ってきているらしいのです。これから先、昆虫食がポピュラーになったとしたならば、また以前のように皆が昆虫を当然に食べる、そんな風になるのでしょうか。


 さて、ずっしりと重みのある袋を開封。中身はまるで土。途端、漂う香り……! 魚粉臭いのかと思っていたのですが、実態は全く違いました。というのも、開封してまず感じたのは鼻につくスパイシーな香り。鼻につんざくそのにおいは、しかし、どこか懐かしい匂いがする。
土のような、錆びた鉄のような……いやに気になったのでしばらく嗅いでいると、ようやくそのにおいが判別できました。そのにおいとはずばり、塩昆布。そう、あの匂いをもう少し強めたような感じ。そこまで嫌なにおいではないのですが、ただ、少しきつい。

 それにしても、昆虫を食べてみて、その経験により昆虫と他の食物とが結びつけられるとは。新たな発見、新たな類似。こうしたものは未知の多い昆虫食の醍醐味ですね。

 

 それでは、本題であるハンバーグづくりへ。
 今回使うのは、以下のもの。とはいうものの、コオロギ入りハンバーグは初めてなものですから、適当です。
クリケットパウダー 大さじ2杯
・豚ひき肉 360g
・卵 1個
・塩、胡椒 適量
 超シンプル。今回はつなぎにコオロギと卵を用いたわけですが、これが存外しっかりとしておりまして、肉汁を逃がしにくく、ふんわりジューシー。しかし、冷めるとすぐに硬くなってしまう欠点も同時にありました。要改善か。

 材料だけでなく、作り方も、超シンプル。
1.ひき肉とクリケットパウダー、卵を混ぜ合わせる

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肉の上に土が広がっているかのよう。

 材料をボウルに入れ、こねます。こねる途中はスパイシーなコオロギ臭が漂い、ひき肉がまるで汚染されていくような錯覚を覚えますが、努めて気にせず、こね続ける。そのうち、おいしそうになるはず。

2.塩、胡椒を加えてさらにこねる

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コオロギと豚、ここに融合する。

 塩を加えることで肉の粘り気が強まり、ハンバーグのタネらしさが一気に出てきます。手の熱で柔らかくなってきたこともあり、どんどん形が近づいていく。
こねて、こねて、こねまくる。コオロギ臭は弱まってきて、肉と粉とがまんべんなく混ざってきます。
十分にこね合わせたら、形を俵状にまとめ、空気を抜いて成形していきます。

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既にいい色合いしています。タネというよりかは味噌。

 色はすでに焼き上がりのようで、おいしそうです。どことなく冷凍ハンバーグっぽい。

3.タネを焼く

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非加熱でこの色。濃い。

 フライパンに油を適量、表面が熱くなってきたら、成形したタネを投下します。と言ったものの、ハンバーグから漸次肉汁が滴ってくるので、油はいらないかったかも。
 水蒸気を上げ、勢いよくハンバーグは焼かれていく。分量的に2人前はいけそうなのですが、1人前で作ったこともあり、なかなか火が通らない。表面が焦げ付かないように、何度もひっくり返しながら気長に待つ。迸る油がハンバーグの表面を揚げるようにして熱していく。
 この頃にはすっかりコオロギのスパイシーな香りは影を潜め、肉の香りと幾分かの土のようなどっしりとした香りが漂います。焼いている限り、においはいいのですが。果たして味はいかに。

4.盛り付け

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僕としてはわりとまともな盛り付け。おいしそう。

 ハンバーグの焼き上がり。クリケットパウダー配合ゆえ、焦げていないにも関わらずあたかも焦げたかのような色合いを呈しています。キャベツとトマトの待つ皿に肉汁ごと乗せ、あつあつのところにトマトソースをかける。肉とトマトソースとが合わさり、いい匂いが立ち込めます。
 そして、いよいよ実食へ。

 まず、箸で割ってみる。

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圧倒的肉感。これぞハンバーグ……

 割ったそばから蒸気が立ち上る。このにおいは……しいたけだ。焼く前は塩昆布のごとくであったコオロギは、いまやしいたけへと変貌していました。仄暗い断面から、しいたけと肉とが香る。不思議な感覚です。最初はまず、ソースをつけずに塩だけで頂く。圧倒的肉感。間違いなく肉の塊。しかし、そのにおいはしいたけ。不味いわけではない。しかし、においが強烈だ。しいたけの、それも生に近いような芳香。うーん……。
 また、食感の面でも、コオロギ入りハンバーグは普通とは違いました。クリケットパウダーは殻からなにから粉末にしていますから、ときどき、肉を噛むとジャリッとするのです。細かく粉砕されているのが裏目に出て、まるで口に入った砂を噛むかのよう。
 とりあえず、そのままだとやや食べづらいのはわかった。ということで、次はたっぷりかかったトマトソースで頂く。これはうまい。トマトとガーリックの香味が風味を劇的に改善してくれました。また、冷めてきてハンバーグがパサついてきたのですが、思い付きでかけてみたマヨネーズともかなり相性がいい。なるほど、はっきりとした香りと酸味塩味、これらはコオロギのうまみをうまく引き立ててくれる。これはいい。

 

 作った結果として、決してコオロギが不味いわけではないものの、そのにおいをいかにするか、というところが問題として浮上してきました。

 手探り状態なため仕方なくもありますが、闇雲に突っ込んでしまい、料理の風味を損ないかねないところでした。しかし、まだまだ改善の余地はある。然るに、またコオロギ入りハンバーグに挑戦したい。

 それに際して、改善点としては

1.肉とコオロギとの配合比の見直し

2.スパイスなど加え、風味を向上させる

3.ハンバーグを小さくすることで中心まで素早く火が通るようにし、肉汁の抜けをより少なくして冷めてもパサつきにくくする

 ……といったところでしょうか。クリケットパウダーのポテンシャルは感じた、しかし、自分がそれを扱いきれなかった。心残りです。大学生活が始まり次第に忙しくなる今日この頃ですが、なんとかまとまった時間をとって再戦したいです。

 

 ここまでお読みいただきありがとうございました。

 それでは、また次の記事で。