蟲食べる日々

昆虫食を中心に記事を書いていきます。

蜘蛛の食べ比べ

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 どうも、蟲助です。お久しぶりです。

 書こう書こうと思いつつ、つい更新が遅くなってしまいました。後期に単位を入れまくったりバイト頑張ったりしていたらいつの間にか冬になっておりました(単位の件についてはあれこれ思ったところがありましたので、また別の記事で言及するかもしれません)。ぼちぼち専門科目も始まり、生物への勉強欲が高まる今日この頃ですが、座りっぱなしと不摂生とストレスにより痔を患っておりました。幸いにして、早めの対策により回復してきております。いぼ痔、やばいですね。

 さて、ブログ再開早々にしていぼ痔とは何事か、と言いたくなってしまいますが……いぼと言えば当然、蜘蛛ですよね。あちこちに張り巡らされた蜘蛛の巣は、蜘蛛のお尻にある糸とぼから出てるわけでして、秋の頃にはあちこちで見かけられたのではないでしょうか。

 お察しかとは思われますが、今回の記事の内容は1ヵ月と幾らか前、秋の終わり頃です。ちょうどその頃に、普通のジョロウグモと抱卵したものとを食べ比べしたんですね。あいにくと画像は紛失してしまいましたが、その件について書いていこうと思います。よろしくお願いします。

 

 皆さんは、こんな話を聞いたことがあるでしょうか。曰く、蜘蛛はチョコレートの味がする、と。なぜこんなことを聞いたかというと、内山昭一氏の『昆虫は美味い!』(新潮社、2019年)という新書でこのような言い伝えがある、と言及されていたからです。その言い伝え通りなのか否か、実際に味を確かめるため、ジョロウグモを食べてみたのだとか。ちなみに、僕は今までこんな言い伝えは一切聞いたことがありません。ジェネレーションギャップでしょうか。

 同書はまだ信州大学に来る前から読んでおり、蜘蛛の味がどのようなものかは既に心得ていたのですが、秋口になるまで蜘蛛って食べる気になれなかったんですよね。居住地付近であまり大きくないやつばかりしか見られないこともあって。でも、さすがは長野ですね。秋にもなると、のびのび育った大きなジョロウグモが街の並木から大学構内まで、至る所に現れる。黄色と黒色の細長い脚はやや食欲を減退させますが、いかにも身の詰まってそうな腹部を見せられると、ついつい捕まえて味見したくなってしまう。そんなわけで、今回食べ比べに走ったというわけです。

 

 画像を紛失してしまったことが本当に悔やまれますが、捕まえたのはいずれも雌。一方は卵を抱えていない棒状(というより、カプセル錠のような形と言うべきか)の締まった腹部で、もう一方は卵が詰まってパンパンな楕円形の腹部を持っていました。秋のジョロウグモの腹って、綺麗なんですよね。構成する色調は背側が黄色と黒、腹側は白がほとんどなんですが、この時期のものは腹に紅葉の如き赤が染まるんですよね。黄色と黒をバックに映える赤色。素晴らしい。

 せっかくなので、二通りの調理で頂きました。普通の個体は素茹で、子持ちの個体はさっと熱を通してんぷらに。

 まず驚いたのが、ジョロウグモを茹でたときの匂いですね。どちらとも、湯に落とすとほのかにサツマイモのような、どこか甘みのある土っぽい匂いが漂ってきました。ジョロウグモの味は枝豆に近いと内山さんが仰っていたので、てっきり匂いもそれに近いのかと思っていたのですが……まるで違いました。

 茹でたら、子持ちでない方を味見。食べにくそうな脚は取り除き、頭胸部と腹部のみに。確かに、腹だけを見れば枝豆っぽい気もします。ただ、やはりジョロウグモの模様はいかにも警戒色といった具合で、昆虫食ビギナーな自分としては口に入れるのを躊躇ってしまう。逡巡の末に口に放り込み、舌で転がしているとなんだか、青臭い香りが漂ってきました。おそらくは蜘蛛から滲んだ汁でしょう。なんとなくどんな味か分かったので、諦めて咀嚼。その風味なのですが、淡泊でわずかに酸味が。あまり味はなく、それよりも草と土を合わせたような青臭さが印象的でした。確かに、塩ゆでして熱いまま食べたら枝豆っぽいかもしれないな、と感じました。

 続いては子持ちの方。ちょうどナスの美味しい時期でしたので、ナスやら獅子唐やらと共に、てんぷらにして食べました。軽く衣をつけて油に投下。しっかりと身の詰まっている感じでしたが、やはり小さな虫ですから、すぐに火が通る。むしろ焦げかける。皿に上げると、黄金色。脚までサックリと揚がっており、取るのも面倒なので丸ごといただきました。以前米とサーカスで食べた昆虫の素揚げはわりと身が縮まっているものも多かったと記憶していますが、今回の蜘蛛は揚げても身の充填がすごい。普通に、肉、って感じでしたね。揚げたことで土臭さはだいぶ和らぎ、食べやすかったです。卵が詰まっているだけあって味も心なしか甘みがあり、わりとてんぷらは調理法としてありな部類でした。

 素の味を知るのも大切ですが、いかに美味しく食べるかも重要だと思いました。昆虫食を行うにあたっては毎度気づかされることばかりです。

 ……と、そんなこんなで、蜘蛛の食べ比べでした。ここ最近ご無沙汰でしたが、また冬には長野の名産・ざざむしや、ハチノコを用いてへぼご飯にも挑戦したいと思います。

 

 ここまでお読みいただきありがとうございました。それでは、また次の記事で。